「あなたが、小早川ゆたかちゃんだよね?」
バスを待ってるときに、私は誰かにそう呼ばれた気がしたから、その方向を向いた。
「はじめまして、田村ひよりです」
田村さんだ……。
田村さんも1人で来てた。3人とも同じ境遇だったんだね……。
「え、何で私のことわかったの?」
「だって、小さいし、ショートツインだし、すぐわかるよ」
しかも、本物の田村さんだった。しっかりとロングヘアーで、眼鏡をかけてた。背は私よりちょっと高い感じだった。
「ゆきちゃんには会えた?」
「会えたよ。でも、名前聞けなかった……」
「だめじゃん……。名前聞かないと……」
「だよね……」
「駅まで歩こっか」
「うん」
私はそれから駅まで田村さんと歩くことにした。のんびりとした時間が流れるのかな。それならそれで幸せ。
「実はね、同じ中学でここ受けた人がいたけど、落ちたんだ。って、これって聞いたかな?」
話は最初、「残念!!」の人からだった。
「うん。聞いたよ」
「そっか。その理由で私の中学から陵桜に行くのは私だけ」
「その人どこに行ったの?」
「春日部から出た。大宮の高校だったような」
大宮にある高校なんだ。だったらその人頭いいんじゃん。
「「ここは滑り止めだ」って豪語してた。滑り止め滑ったけどね。ゆたかちゃんの中学からは自分だけ?」
「うん。私以外地元行ったから」
「そっか。もう上尾から出たかったんだ」
「だって、街全体からいじめられてたんだもん……」
そのことは田村さんに言うことにした。信頼できる人。私がそう思ったから。
目を見てわかった。この人は絶対に嘘は言わない。
「まじ?それ、つらいよね……」
そして田村さんは私と手をつないだ。
「でもこれで私たちは友達だから……。もうゆたかちゃんを悲しませたりは絶対にしない……。私を信じて……」
田村さんの手はあったかかった。心があったかいからかな。
ほっかほか。
もう一度、私は田村さんの目を見た。
あの目は絶対に嘘つかない目だった。優しい目。
「ふふふふふ……」
「何笑ってんの?私の顔に何かついてた?」
「んにゃ、私に優しいから、嬉しくなって……」
ここの高校の人、みんな優しい……。私はここに来て幸せ者になれるんだ……!!
「私も、ゆたかちゃんが優しい人で、嬉しいな……。同じクラスになれるといいね……」
若干私も田村さんも照れ気味だった。
そのせいか、手を握る力が若干強くなった……。
ぎゅっ……。
「かわいいな、ゆたかちゃん……」
どきっ……。
やばい……。心臓の鼓動が………。
もうまともに田村さんの顔見れないよ……。見たら興奮で爆発しそう……。
「でも心配しないで……。まだ出会ったばかりだから恋愛には発展しない……」
れ、恋愛……?
ま、まままま待って!!え、えと……、私と田村さんは今日初めて会って……、でも、今までメールのやり取りしてたけど………、そのときから恋愛……モード………?
あああああ、もう爆発しそう………!!!
「いとこってやっぱりかわいい……?」
もう田村さんの言葉1つ1つに心臓が反応するようになった……。
「う、うん……。かわいすぎる………」
「その人のこと、好き……?」
「大好き………。あ、あの娘は私の……」
言っちゃった………。最後はごもごもしたけど、そのことを言ったのは多分田村さんが初めて………。
「そっか。百合だね……」
百合……。
改めて百合の意味を言うけど、百合の意味は確か、女の子と女の子の恋愛のことをいうんだっけ。
私は女の子が大好き。それはやっぱり否めないんだ。
でも、それはレズっ気があるっていうんだっけ。でも、レズっ気=百合属性。私は百合っ娘なんです。
「私、漫画描いてるんだ。それでね、百合を題材にしたりとしてるんだ」
彼女も多分百合属性。私みたいな幼女を目の前に、絶対興奮してるはず。表面上はそんな素振りはないけど、内心とっても緊張してるはず。
「百合ってやっぱりいいの……?」
「わかんない……。私も経験してないからさ。私は異性に片想いぐらいしかないし、告ってもすぐふられたり……、そんなのばっかり……。だからいいのかは実際わかんない………」
異性に告白したんだ……。ならバイセクシャル……?
「でもね、好きならそのいとこに「ずっと好きでした。これからもずっとそばにいたいです」と言った方がいいと思うよ。自分で塞ぎ込んじゃったら、それでもう終わり。自分のものにしたいなら、そう言わないと」
田村さんは顔を真っ赤にして、私のために真剣にアドバイスしてくれた。
「ならばさ、ここで練習してみる……?」
れ、練習……?
「ま、ままままま待って!!き、キスとかはしないよね……?」
やばいやばいやばいやばいやばい!!!!!わわわわわわわわ私の興奮が爆発するって!!!!!!はううぅぅぅぅ………。
「しないよ。それはいとこの分にとっときなよ。それがファーストキスになるんでしょ…?」
私と田村さんはあと少しで駅というところの交差点で足を止めた。
そして向かい合って田村さんに肩をつかまれた……。
「私をいとこだと思って……、ね」
ああああああああああ………、だめだめだめだめだめ………。壊れちゃうから……。私壊れちゃうからああぁぁぁ………。
「ほら早く……。私だって恥ずかしいんだから………」
彼女ツンデレ……?だったらなおさらどきどきだよ………。
「あ、あああああああの……、私……、こなたお姉ちゃんのこと………、すっごく大好きです………。恋愛対象として……、すっごく大好きです………。だから私と……、一緒になってください………」
言っちゃった………。
「はあぁぁ……、はあぁぁ……、はあぁぁ……、はあぁぁ……」
ものすごく緊張した……。言ったあと、私は顔を下に落とした……。まだ心臓の鼓動がすごかった……。今血の流れがすごくいいかも……。
「いとこ、こなたっていうんだ……」
でも田村さんはいとこの名前に着目した。何か思い当たる節があるのかな。
「う、うん………」
「え、泉こなたっていうんでしょ?それなら私知ってるかも……」
知ってるんだ。こっちは初めて知った。
田村さんは肩に置いてた手を離した。それからまた手をつないで、もうあと5分で駅前のところからのんびり歩き始めた。
「その娘、よく私の同人誌買うんだ。そこで知り合って、今やメル友なんだ。何だ、その娘のいとこだったんだ。それなら話は早いや」
「へえぇぇ……」
すごい……。つながってる……。
最早私の心にはもう感心しかなかった。さっきの心臓ばくばくはすっ飛んでった。
「へ〜、泉先輩、陵桜だったんだ……」
そして、私と田村さんは無事に春日部駅に着いた。
「私電車民だけど、田村さんも電車民?」
「私はここから近いんだ。また私はのんびり歩いてくよ。今日はありがとね。会えて嬉しかった」
「私も。嬉しかった!!」
もう一度握手。そして抱擁。もうどっかのカップルみたいになっちゃった。
「絶対に同じクラスになろうね!!!」
「うん。じゃあまたね」
「またね〜」
私が駅構内に入ろうとしたとき、田村さんはもう二言追加した。
「泉先輩によろしく言っといてねー。あと、いつか私に言ったこと泉先輩に実践してねー」
はううぅっ!!そうだよね……。いつかそれをこなたお姉ちゃんに言わなきゃいけないんだよね……。
でも、いい友達出来ちゃった。ふふふ……。田村さん……。ひよりちゃん………。ふふふふふ………。
3へ続く![]()
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